つい先ごろ、BluetoothSIGは段階的にBluetooth規格の旧バージョンを廃止することを発表しました。この発表に伴い、弊社のZEALシリーズ(というより市場に出回っている多くのBluetoothモジュール)は大きな影響を受けることになりました。
ここではBluetoothSIGの発表内容の要点と、ZEALシリーズがどのような影響を受けるか、さらにZEALをご利用いただいている皆様にどのような影響が出るのか、端的にご説明していきます。
Bluetoothバージョンが段階的に廃止されます
2018月4月13日にメンバーに配信されたSIGのメールによると、現時点で下記のことが決まったと発表されています。
(下記内容は、ZEALのお客様を対象とした要約です。メールの内容そのままではありませんのでご注意ください)
①BluetoothSIGは段階的に旧バージョン(v2.0〜v4.1)を廃止する。
→v2.0は2019年1月1日、v2.1〜v4.1は2020年7月1日に廃止。
②廃止日以降、廃止の対象となっているバージョンでの製品登録が行えなくなる。
→製品登録というのは、無線試験を伴う新規登録、認証済みBluetoothモジュールを使用したEPL登録、およびEPL登録済み製品に紐づける形での追加登録。
③廃止日以降、既に登録済みの製品については販売し続けることが可能。
ZEALシリーズへの影響
元々、下記のご案内の通り、ZEALシリーズには供給性の問題がありました。
【重要】ZEALシリーズの今後の入手性、供給予定について(2018年3月時点)
それに加えて、今回の「旧バージョン廃止問題」によって、ZEALシリーズ4モデル全てが廃止の対象となってしまいました。
モデル | Bluetoothバージョン | 廃止日 |
---|---|---|
ZEAL-S01 | v2.0 | 2019年1月1日 |
ZEAL-C02 | v2.1 | 2020年7月1日 |
ZEAL-LE0 | v4.0 | |
ZEAL-LE0-C |
ZEALをご利用中のみなさまへのお願い
以上を踏まえて、ZEALシリーズに対する、無線化.comの見解は下記の通りです。
- どうしてもやむを得ない場合を除き、新規案件でのご採用はお控えください。
- 同様に、ZEAL搭載品での海外認証、および薬事などの各種認証取得についても、見送っていただいた方が無難な状況です。回避されることを強く推奨いたします。
- 既にご採用いただいている場合も、機を見て「他社モジュールへの載せ替え」または「案件、出荷台数の縮小」をご検討ください。
後継モデルに関する情報
後継モデルについては引き続き情報収集、検討を重ねておりますが、まだ具体的な仕様やリリース時期をご案内できる段階には至っておりません。
v4.1まで一気に廃止された事実を考慮すると、近いうちにv4.2も廃止されるのでは?という懸念があるため、今から作る後継モデルはv5が無難と考えます。ただ、v5対応チップはまだ市場に投入され始めたばかりであり、これから2018年末にかけて本命視されるチップのリリース情報もあることから、もう少し市場の動向を見守る必要があると考えております。
また、今回の旧バージョン廃止の決定は、SIGがBLEに一本化するために「(SPPを含む)古いプロファイル」を撤廃したいという意図が感じられますので、SPPモジュール自体の先行きに不安が残ります。事実、SIGはBluetooth5で長距離、高速化などを打ち出しており、旧プロファイル廃止へ向けた布石と推測されます。SPPモジュールについても、もう少しSIG、市場の動向を見守りたいと思います。
カスタマーサポート担当 清水からのコメント
前回の供給性に関するご案内を出した直後、今度はBluetoothSIGから(悪い意味で)大きな発表が飛び込んできました。ここ1〜2ヶ月は事実関係を把握するべく、協力会社やお付き合いのあるモジュールメーカーにコンタクトを取り、情報収集に努めておりました。今回の発表は2014年の「EPL登録有料化」と同じくらいインパクトが大きく、業界各社は困惑し、対応に追われているようでした。
今回の発表を受け、すぐにZEALのディスコンに結びつくわけではありませんが、旧バージョンが廃止され、ZEALを使ってEPL登録ができなくなるということは「ZEALを使って最終製品が開発できなくなる」ということであり、ZEAL各モデルを少しずつ終息へ向けて動かざるを得ない状況となってしまいました。
ZEALシリーズに関する情報は、今後対応方針が決まり次第、随時ご案内いたします。