こんにちは、無線化.comカスタマーサポート担当の清水です。
時たま「認証セミナーの内容を知りたい」「資料が欲しい」といったお問い合わせをいただくことがありますが、セミナーは口頭での説明がベースとなっているため、資料で内容をお伝えするのは難しく、実際に聞いていただくしかないというのが正直なところです。
ただせっかくセミナーに関心を持ってくださった方々に何かしらの形でお力になれないかと検討した結果、セミナーでお話する内容の一部だけでも抜粋してお届けしようと考えました。本来であれば他の記事同様、ちゃんと文章化できるのがベストですが、そうすると時間がかかってしまうので、「原稿を作成するための下書き」を公開することにしました。とりあえずセミナーの感じ、Bluetooth認証のエッセンスは掴んでいただけるのではないかと思います。
- 自社でBluetooth機器を開発し、販売したいメーカーが行うべきBluetooth認証の基本的な流れ
- BluetoothSIGにメンバー登録申請
- 認証機関に認証テストを依頼し、QDIDを取得
- EPL登録を行う(申告IDを取得し、QDIDとともに付与)
- これが基本となる手続きの流れ
- Bluetooth認証に必要な手続き
- 認証テストと製品登録の2つ
- 認証テスト
- BluetoothデバイスがBluetooth規格の要件を満たしていることを認定してもらう
- 認証機関での無線試験やドキュメント提出が必要
- 認定されるとQDID(Qualified Design ID)が取得できる
- QDIDの種類に関する説明は後述。
- 製品登録
- Bluetooth機能搭載の最終製品を自社ブランドの商品として販売する時は、EPL登録(End Product Listing)と呼ばれる製品登録が必要
- EPL登録では、そのデバイスがBluetooth規格の要件を満たしていることを証明するため、認証テストで取得したQDIDを付与する必要がある
- また、EPL登録時には申告ID(Declaration ID、DID)を取得し、付与する必要がある。
- 申告IDの取得費用はアダプターメンバーの場合で8,000USドル
- 1つのQDIDに対し、1つの申告IDが必要。
- 2製品目の登録に関する説明は後述。
- EPL登録のもう一つのやり方(No Required Testing)
- 自社でQDIDを取得するのではなく、他メンバーが取得したQDIDを参照する形で製品登録することもできる
- Bluetooth認証済みのBluetoothモジュールを組み込んだ場合など
- Bluetoothモジュールが認証テストをクリアーしているので、最終製品での認証テストが不要。(Bluetoothモジュールに変更や追加を加えないことが条件)
- 申告IDの取得は必要。申告IDを購入し、参照するQDIDとともに付与すればEPL登録可能。
- 参照するQDIDによっては再度認証テストが必要な場合あり。Product Typeに注意。
- 参照するQDID(Bluetoothモジュール)のProduct TypeがEnd Productであれば認証テスト不要。申告IDの取得だけでEPL登録可。
- End Productというのは、Bluetooth規格に要求される全ての機能(ハードウェア、ソフトウェア)を満たしている製品という意味。
- 参照するQDIDがComponentの場合、End Productとしての要件を満たすように複数のQDIDを組み合わせたり、機能として足りない部分の認証テストが必要になる場合も。
- Componentというのは「部品」としてQDIDを取得しているという意味。「部品」なのでそれだけではBluetooth機能を満たすことができず、他のComponentなどと組み合わせてEnd Productにする必要あり。
- 参照するQDID(Bluetoothモジュール)のProduct TypeがEnd Productであれば認証テスト不要。申告IDの取得だけでEPL登録可。
- 自社でQDIDを取得するのではなく、他メンバーが取得したQDIDを参照する形で製品登録することもできる
- EPL登録のユースケース
- ケース①
最終製品メーカーX社がBluetoothモジュールA(QDID:aaaaaa)を組み込んで、製品X-1を開発、販売する場合- EPL登録のために、申告ID:xxxxxxを取得。
- 申告ID:xxxxxxとQDID:aaaaaaを付与し、製品X-1をEPL登録。
- ケース②
最終製品メーカーX社が同じくBluetoothモジュールA(QDID:aaaaaa)を組み込んで、製品X-2を開発、販売する場合- 参照するQDID:aaaaaaが変わらないので、製品X-1登録時に取得した申告ID:xxxxxxを使って追加登録可能
- EPLの登録手続きは必要だが、申告IDの追加購入は不要という意味。
- 参照するQDIDが同じであれば、追加登録する製品はX-1とは全くジャンルの異なる製品Y-1でもOK。(X-1の派生品じゃなくても良い)
- 参照するQDID:aaaaaaが変わらないので、製品X-1登録時に取得した申告ID:xxxxxxを使って追加登録可能
- ケース③
最終製品メーカーX社がBluetoothモジュールB(QDID:bbbbbb)を組み込んで、製品X-1を開発、販売する場合- X社とすればケース①で登録済みのX-1でも、組み込むBluetoothモジュール(参照するQDID)が変わった場合、申告IDの再取得と再登録必要。
- 新たに申告ID:yyyyyyを購入取得し、QDID:bbbbbbとともに製品X-1をEPL登録。
- このケースのように、Bluetoothモジュールのディスコン等によって参照するQDIDが変わってしまうと影響が大きい。
- ケース④
メーカーX社の製品X-1を代理店K社が再販する場合- K社が「X社の製品X-1」として再販、つまりただの転売目的であればK社はEPL登録不要。
- 例)Apple社の「iPhone」を家電量販店が販売する際、家電量販店はEPL登録不要。
- K社が「X社の製品X-1」として再販、つまりただの転売目的であればK社はEPL登録不要。
- ケース⑤
メーカーX社の製品X-1を、K社が自社ブランドの製品K-1として販売する場合- X社がK社にOEM供給する形。市場から見れば、製品K-1はK社の商品であり、X社や製品X-1の名前は出てこない。
- この場合、K社はSIGのメンバーになり、且つ製品K-1のEPL登録が必要。
- K社は申告ID:zzzzzzを購入取得し、QDID:aaaaaaとともに製品K-1をEPL登録。(ケース①の派生)
- ケース①