Bluetooth4.1を使えば、あらゆるモノがインターネット接続できるようになる
2013年12月4日、Bluetoothの最新規格であるバージョン4.1が発表されました。
「あらゆる物がインターネットに接続し、クラウドのサービスを利用する“Internet of Things(IoT)”の時代がやって来ているが、Bluetoothはその“モノ”と“インターネット”を繋ぐ中核を担う技術となっている」
「Bluetoothの次の命題は『すべてのものをインターネットに接続する』こと。スマホやPCなどを通して、様々なデバイスをクラウドにつなげたい。」
Bluetooth SIGはこのように述べています。
Bluetooth4.0ではBluetooth Low Energy(BLE)の登場により、ボタン電池でも長期間駆動が可能となり、これまで実現が難しかった脈拍計や腕時計といった小型ウェアラブルデバイスの無線機能搭載が可能となりました。
Bluetooth4.1では、そういったウェアラブルデバイスをはじめとした身の回りのあらゆるモノをインターネット接続させるため、通信機能面での強化が行われています。
Bluetooth4.1の主な特長
- IPv6のサポート(インターネットへの直接接続)
- Bluetooth機器のハブ機能(機器間通信の高機能化)
- 再接続機能(通信エリアに入ると自動的に再接続を実行)
- 相互通信干渉を抑制する技術(LTE-Bluetooth間)
IPv6のサポート(インターネットへの直接接続)
新たにIPv6をサポートし、インターネットへ直接接続・通信できるようになります。これまでであれば「Bluetoothデバイスが一旦スマートフォンやPCにデータを転送し、そこからインターネットに接続する」といったステップが必要でしたが、Bluetooth4.1ではデバイスがルーターを経由して直接クラウドサービスにデータをアップロードできるようになります。
当然、ルーター側がBluetooth4.1に対応する必要がありますが、ルーターメーカーと協業を進めることで普及を目指しているようです。また、既存のBluetooth 4.0対応機器はソフトウェアのアップデートだけでBluetooth 4.1に対応できるとのことです。
Bluetooth機器のハブ機能(機器間通信の高機能化)
例えば、「Bluetooth機器のハブ機能」を利用すると、スマートフォンに受信したメッセージをBluetooth4.1対応の腕時計側で表示しながら、他の対応機器から歩数や心拍数のデータを収集するといった使い方ができるようになります。
再接続機能(通信エリアに入ると自動的に再接続を実行)
「再接続機能」の利用例としては、屋外での運動時に計測したデータを、帰宅時にBluetooth 4.1対応機器が自動的に吸い上げてクラウド上で管理するといったことができるようになります。
チップメーカーの動向
各チップメーカーの動きですが、Broadcom社はデジタルテレビをターゲットにした2×2のMIMO方式で2.4GHz/5GHz無線LAN、USB 3.0 / USB 2.0に対応し、かつBluetooth 4.1にも対応した通信用ICを発表しています。
CSR社はBluetooth 4.1仕様で導入された重要な強化点を、シングルモードのBluetooth Smartプラットフォームや無線オーディオプラットフォームから各種コネクティビティデバイスに至るまで、コネクティビティプラットフォーム全てに搭載することを発表しています。
参照URL
あらゆる物をネットに接続するBluetooth 4.1規格が12月にリリースへ(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20131106_622398.html
Bluetooth 4.1 正式発表。SMART機能を強化、通信を意識させない「モノのインターネット」へ(engadget日本版)
http://japanese.engadget.com/2013/12/06/bluetooth–4–1-smart/
第644回:モノのインターネットとは (ケータイWatch)
http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/keyword/20131224_628779.html
Broadcomがデジタルテレビ向けに、5GHz無線LANとBluetooth 4.1に対応した通信IC(Tech-On!)※要会員登録
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20140107/326076/